「貯金のない人」なんて都市伝説だと思っていた
仕事中、上司と先輩のこんな雑談が耳に入ってきた。
先輩「え、明日客先打ち合わせですか?交通費ないですよ」
先輩「ないですよー、残高35円です」
上司「それじゃあ誰かに500円借りるしかないね」
先輩「明日給料日なんで、どこかでATMに寄れれば大丈夫なんですけどねー」
かなりざっくりしているが、こんな内容だったと思う。
よくある会話なのかもしれないが、社会人1年生の私は驚いた。
大学生ならまだしも、社会人で貯金がない人なんているのか、と。
社会人はみんな、常になんらかのリスクに備えて数十万~数百万円の蓄えを常に持っているものだと思っていたのだ。僕も当然そうするつもりでいる。
「貯金がなく、給料日にATMに並ぶ人々」というのは、「ギャンブルで生活費までスッちゃう」とか、「多重債務で破産」とかそういうのと同レベルで、僕には関係のない存在だとばかり思っていた。
ここ数週間、となりの席で仕事をしていた3つ上の先輩がそれだというのだから、結構な衝撃であった。かなりクセはあるが人柄は温厚で、僕の質問、相談にも真摯に対応してくれる。決してダメ人間という感じの人ではない。そんな人でも、お金に関してはこんな残念なのか。
学校でお金について学ぶ機会なんてないからなあ。
一応データとして、20~30代だと貯金のない世帯が3~4割いるというのは知ってはいたが、実際に身近にいるとなると感じ方がまるで違う。
こういう人たちの生活というのは、僕にはちょっと想像がつかない。常にお金の心配をしなきゃいけないというのは、ちょっと精神的にキツいんではないだろうか。
1ヶ月、収入のない期間があるだけでまともに暮らせなくなってしまうのだから、転職活動もろくにできやしない。
逆に考えれば、貯金があれば転職に限らず、思い切った行動が取りやすくなるのではという気づきもあった。
僕は間違いなく会社員には向いていないので、1年暮らせるくらいの貯金が貯まったらサクッと会社をやめて何かやろうと思う。